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外国人介護士を受け入れた施設の事例を集めました。介護士として就職した外国人2名のコメントと、外国人介護士を受け入れた2つの施設のエピソードをご紹介します。
ヤンバオ・ローランドさん(フィリピン出身)〈介護職 初任者研修資格取得(2015.5)2011年に来日〉
母国では看護師をしていたのですが、フィリピンの免許は日本で使えないので、介護福祉士の資格をとるために勉強しています。仕事自体は、入浴介助以外、看護師のときに 経験しているので難しくありません。
日本の人は「介護の仕事は大変」と思っているようですが、私は人をケアすることが大好き。利用者さんは自分のおじいちゃん、おばあちゃんのようです。妻(日系フィリピン人)もデイサービスの事業所に勤めていますし、家族も医師や看護師でメディカル一家です(笑)。
これから、もっと外国人の職員が増えるので 私がリーダーとなって、後輩が働きやすいようにサポートしていきたいと思っています。
※参照元:大阪の福祉を知るみんなの情報誌 ウェルおおさか vol.104 2016.10(http://www.wel-osaka.jp/johoshi/pdf/104.pdf)
楊・家勇さん(中国・河南省出身)〈老人保健施設永寿ケアセンター介護主任2009年に来日〉
留学ビザで来日し、歴史を学び、大学院を修了してから日本人の妻と結婚しました。求人広告で永寿を見つけて就職し4年目。人にやさしくするのが好きなので、“心”に は自信がありました(笑)。
最初に配属されたのは、特別養護老人ホームでした。認知症の方の気持ちを察し、問題があればどのように解決するか、頭を使う仕事です。 私の子どもの頃の暮らしは、ちょうど日本の昭和前期みたいで、停電が多かったとか、おもちゃは自分で作っていたとか。共通点があって年配の人と意気投合。距離を感じずにうれしかったです。
現在は、ロボットリハビリのフロアを任され、在宅復帰、社会復帰を目指す人に対しロボットスーツを使ったプログラムの提案をしています。管理職なので周りの従業員の力を最大限に生かし、楽しく仕事できる環境づくりを心がけています。1歳8カ月の娘を保育園に預けて共働きですが、生活も安定しました。長く勤めたいと思っています。
※参照元:大阪の福祉を知るみんなの情報誌 ウェルおおさか vol.104 2016.10(http://www.wel-osaka.jp/johoshi/pdf/104.pdf)
当サイトでは、外国人介護士の教育から雇用まで一貫したサポートを行うONODERA USER RUNに協力を依頼し、特定技能ビザの取得に向けて学ぶ学生へインタビューを行っています。学生が特定技能ビザを取得するまでにどのような努力をしているのか、また現地ではどのようなサポートがあるのかまとめました。
受け入れて1年目は、『当たり前のように学習に向かう姿を見て、 「勉強に行くのは、当たり前の事じゃないのに、 何で黙っていなくなると?」と 不満の声も聞こえていました。』『職員も戸惑う事が多く、なかなか積極的に 声をかける事が難しかったです。』との声。
しかし、受け入れて3年経つと、『日本人職員同士で話しているような雰囲気で、 候補者が日本人職員と話している姿をよく見かけるようになりました。』『学習の時間になると、周りの職員に声をかけ、職員が暖かく送り出す姿も見られるように なりました。』と、雰囲気が一変しています。
担当者自身がフィリピンについて学び、主任クラスの会議でも説明。事前に、フィリピン人の日本人介護士には、フィリピン人の介護福祉候補生の受け入れを説明をしていたのですが、『どうしてフィリピンなの? 』『言葉を違う意味で、受け取られないか不安。 』『給料は、同じなんですか?』とさまざまな反応。日本人職員に対する疑問に対してきちんと説明し、不安を解消しました。
それでも、最初のうちは、馴染めないと感じた日本人職員も。しかし、日本人、フィリピン人両方が歩み寄り、時間とともに、よりよい雰囲気へと変化していきました。
※参照元:平成29年度経済連携協定に基づく 外国人介護福祉士候補者 受入説明会 (広島会場)(https://jicwels.or.jp/files/EPA_case_H29_4.pdf)
開始した際は日本語での会話などの支援が どの程度必要か想像がついていなかった。」と最初は、不安だったそう。しかし、「就労開始後約3か月ほどで業務を理解し不安な面は解消された」ということ。
さらに、「入職時は伝わらないこともあるがほぼ問題はない。 私生活での悩みなどを相談できるスタッフを擁立することで、人間関係も円滑に。」と、バックアップ体制を整えています。
今後の課題としては「彼らに継続的な学びを提供しながら昇格できる システムを確立し長期勤務できるようにしたい」としています。日本人介護職員が外国人介護職員を迎えることに対しての理解や協力に対しては、「入国までの流れや彼らがどういった夢を抱えて来日しているか、法人として外国人職員採用をなぜ進めているのか周知する事が大切」ときちんと趣旨を説明する大切さを言及。
また、「ホームシックになる事を想定し精神面での安定を図る環境づくりや言葉がけ」が受け入れる側の配慮として必要。
※参照元:外国人介護人材の受け入れ 事例発表(https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/発表資料%EF%BC%88大阪会場%EF%BC%9A社会福祉法人晋栄福祉会デイサービスセンター宝塚ちどり-様%EF%BC%89配布・公開用.pdf))
雇用される外国人介護士も雇用する側の施設も、最初は不安が大きいでしょう。大切なのは、お互いのことを理解するための思いやりです。外国人を職員として受け入れて日数が経つことで、日本人職員の外国人職員を受け入れ、同じ職員という立場で接することができるようになったという事例もありました。
介護の現場で働く外国人は、介護士をプロフェッショナルな仕事としてやりがいを感じ、誇りをもって働いています。グローバル化が進む現在、日本人や外国人といった区分にこだわるのではなく、同じ意志をもつ仲間として受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。
当サイトでは、特定技能ビザによる外国人介護士の教育から雇用までを一貫してサポートするONODERA USER RUNについてご紹介しています。外国人介護士の雇用方法や教育について不安を抱えている方は、一度相談してみることをお勧めします。