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このページでは、バングラデシュ人を日本の介護施設で介護人材として受け入れるための制度や資格、バングラデシュ人介護士と接する上で知っておくべきバングラデシュの国民性や文化などについて解説しています。
日本の介護業界でバングラデシュ人を外国人介護士/外国人労働者として受け入れる場合、「特定技能ビザ」・「技能実習生」・「在留資格:介護」といった3種類の制度を活用できます。
特定技能は二国間の協定にもとづき、特定の職種について外国人を労働力として受け入れられる制度です。特定技能で来日するためには一定以上の日本語能力などを持っていなければならず、さらにそれらの外国人介護士を労働力として考えられるため、人材不足に悩む様々な業界から注目されています。
参照元:出入国在留管理庁「バングラデシュに関する情報」(http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri06_00110.html)
日本が先進国として、海外から人材を実習生として招き、技能の修得や育成を行うための制度です。日本とバングラデシュの両政府は、2018年1月に「技能実習に関する協力覚書」を締結しており、バングラデシュ政府公認の送出機関などを通じて人材を日本へ招くことが可能です。
ただし、原則的に技能実習生は人材育成や国際貢献を主目的とする制度であり、技能実習生を労働力として受け入れることはできません。
参照元:厚生労働省「バングラデシュとの協力覚書」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192642.html)
特定技能などにより日本で介護分野の技術を習得し、介護福祉士国家試験へ合格すれば、在留資格「介護」を取得できるチャンスを得られます。在留資格「介護」を取得すれば、日本で介護士として無期限(要ビザ更新)で働くことが可能です。
バングラデシュは1947年にインドからパキスタンの一部として独立し、さらに1971年の完全独立を経て誕生した国です。国民の大部分をベンガル人が占める一方、周辺国からの大量の難民を受け入れるなど、国際的にも注目されることが少なくありません。
また外務省の公式サイトによれば、バングラデシュは極めて親日的な国であるとされています。緑地に赤丸という、日本の「日の丸」の色違いになる国旗は日本人の間でも有名でしょう。
参照元:外務省「バングラデシュ人民共和基礎データ」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bangladesh/data.html)
バングラデシュの首都であるダッカには、「東洋のオックスフォード」とも呼ばれるほど教育熱心な国立の教育機関・ダッカ大学があります。
一方、バングラデシュでは国内の経済格差も広がっており、超学歴社会かつ経済的な隔たりが大きいことも特徴です。
また公用語はベンガル語であり、日本語教育を受けて来日できる人材は、バングラデシュの中でも優秀で意欲的な人物と考えることができるでしょう。
子供の頃の試験成績が公的な記録として扱われ、一生の暮らしや就職に影響するバングラデシュでは、より良い生活や将来を目指す若者のハングリー精神がとても高い傾向にあります。また学校へ通うための費用を捻出するために家族が苦労している家もあり、一家の期待を背負って学び成長しようと努力する若者も少なくありません。
バングラデシュ人は一般的に、初対面の相手であっても気さくに接する、フレンドリーな国民性を持っているとされています。また敬虔なムスリム(イスラム教徒)が多い国でもあり、困っている人を見つければ自然と手助けできるような優しさを備えていることも特徴です。
その一方、宗教的な戒律やルールに厳しく、バングラデシュから外国人介護士を受け入れる場合は、あくまでも異文化交流であることを忘れないように注意しましょう。
バングラデシュの政府統計(2019年)によれば、およそ9割以上の人がイスラム教徒であるとされており、さらにヒンドゥー教や文教、キリスト教といった諸宗教がその他を占めます。
また敬虔なムスリムが多い国としても知られており、日々の宗教儀式やラマダン(断食月)といった文化を大切にしていることも重要です。
ムスリムには生活上のルールや食事上の戒律もあり、バングラデシュ人介護士を受け入れる場合、事前に宗教への理解や準備を進めておくようにしてください。
日本は長年、政府開発援助(ODA)でバングラデシュを支援しており、その歴史はバングラデシュが独立した直後から始まりました。そのため、バングラデシュでは日本人に対するイメージが良く、日本の文化について興味を抱いている人も少なくありません。
また留学生として日本で学んだバングラデシュ人も多く、日本文化との相性も良い国であると言えるでしょう。
バングラデシュは親日国であり、バングラデシュ人も日本へ好印象を抱いている人が少なくありません。そのため、日本で介護士として働くバングラデシュ人についても、希望や目標を抱いて前向きなスタートを切る人を期待できます。
しかし敬虔なムスリムの多いバングラデシュは現代日本とのギャップも大きく、日本の介護施設でバングラデシュ人を受け入れる場合、それぞれの文化や考え方を尊重するように気をつけなければなりません。
気さくでフレンドリーなバングラデシュ人は、介護人材として魅力的と言えます。また日本へ特定技能1号外国人として来られるバングラデシュ人は超学歴社会を勝ち抜いてきた人でもあり、意欲的かつ優秀な介護人材として期待できそうです。
バングラデシュでは意欲的で優秀な人材が育ちやすい社会制度があり、さらに敬虔なイスラム教国としてルールや戒律を守る精神が育まれています。そのため、バングラデシュからの外国人介護士の受け入れは、今後さらに発展していくかも知れません。
ただし、バングラデシュ人の全員が同じ性格や思想というわけでなく、来日後のトラブルを避けるためにも、適正な雇用制度と送り出し機関を活用して、事前に比較検証や情報共有を行うことが大切です。