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外国人介護士が来日時に習得しているスキルや施設側での教育の必要有無について、受け入れ制度ごとに情報をまとめました。
「基本的な日本語を理解することができる」「日常的な場面でややゆっくりと話す会話であれば、内容がほぼ理解できる」レベルが求められるN4の日本語能力レベルと、介護職員初任者研修終了程度の実力を試す試験の合格が必須。難しい試験をクリアしているので、介護現場では即戦力としての働きを期待されています。施設側での研修等は必ずしも必要ありませんが、現場で日本語力や介護能力を磨いていくためのサポートは必要。
特定技能ビザで来日している外国人であれば、そもそも一定以上の日本語能力を備えているはずです。しかし、将来的に介護福祉士として国家資格の取得を目指すには、施設側も積極的に日本語能力や介護スキルの向上をバックアップしていく環境が重要です。
特定技能1号外国人は、入国要件として国際交流基金日本語基礎テストの合格や、N4以上の日本語能力の保持が求められていますが、介護福祉士として合格するにはそれ以上の日本語能力が必要です。
特定技能1号外国人として介護福祉士国家試験を受験するには、実務経験3年以上に加えて、介護職員基礎研修と痰吸引等研修を修了していなければなりません。
※参考サイト:厚生労働省「喀痰吸引等制度について」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/tannokyuuin/01_seido_01.html)
実習生として日本の介護技術を学びに来日し、出身国へ帰国後に日本で学んだ技術を活かして祖国の発展に寄与することを目的としてる制度です。あくまで「実習生」なので、事業協同組合や商工会等の団体が監理団体として、来日した技能実習生を受け入れて講習を実施。実習先となる介護事業所との調整を担います。
技能実習生として入国するには、ひとまずN4程度の日本語能力が必要ですが、入国してから1年後に改めて日本語能力試験を受けてN3をクリアしなければならないなど、継続して働くためには一定の条件があります。また、技能実習生は実際の現場で働きながら学習する必要があり、施設側にはきちんと技能実習生が日本語や介護について学べる環境を提供してあげることも重要な取り組みです。
技能実習生は、一定以上の介護技能や日本語・介護日本語能力を持っていれば、最長5年の間、在留できる特定技能ビザを取得することができます。そのため、施設としても技能実習生が特定技能ビザを取得できるように、介護技能評価試験や介護日本語評価試験、日本語能力試験への合格を目指したカリキュラムの提供やサポートを適切に行うことが推奨されます。
技能実習生として介護施設等で3年以上の就労・研修経験があれば、特定技能1号と同様に、実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験することが可能です。しかし、やはり受験資格として「介護職員基礎研修+痰吸引等研修」を修了していることが条件となっており、介護福祉士や都道府県知事から認定された介護職員などによる研修の実施が必要です。
インドネシア、フィリピン、ベトナムそれぞれの国と日本の2国間の経済連携の強化を目的とした制度。主に2つのコースを用意しており、就学コースは、介護福祉士養成施設にて2年以上学び、介護福祉士の国家試験を受け合格する必要があります。就労コースは、介護施設などで研修・就労を3年以上積み、介護福祉士の国家試験を受け、資格取得後、介護士として働きます。いずれのコースにしても介護施設での実習が必要です。
EPA(経済連携協定)にもとづく外国人労働者の受け入れは、将来的に介護福祉士としての国家資格を取得することが目的となっています。そのため、受け入れ施設側も外国人がきちんと学習し、介護福祉士国家試験への合格を目指せるように十分なサポートを行うことが求められます。
EPAにもとづく外国人の場合、国によって入国時の要件に差があるものの、訪日後に就労を開始するまでにN3程度の日本語能力を備えていることが必要です。また、将来的に介護福祉士国家試験へ合格するためにも、日本語についてしっかりとした教育研修を実施されているかどうかは重要です。
介護福祉士国家試験を受けるまでには長い期間が必要であり、また合格するためには専門スキルをしっかりと身につけていることが欠かせません。そのため、施設側も介護職員に対して、それぞれの職員ができないことをきちんと習得できるように、アセッサー講習を実施していくことが大切です。
なお、アセッサー講習は日本人職員にとっても価値のあるものであり、施設全体の介護スキルの向上にも役立ちます。
専門的・技術的分野の外国人の受入れが目的。養成施設ルートは、外国人留学生として入国し、介護福祉士養成施設にて2年以上学び、介護福祉士の国家試験を受け、合格したのちに介護士として働けます。実務経験ルートは、技能実習生として入国して、介護施設などで研修・就労を3年以上積み、介護福祉士の国家試験を受ける必要があります。介護福祉士の資格を取得するまでは、介護施設での研修・就労期間が決まっています。
すでに介護福祉士としての国家資格を取得している外国人であれば、プロの介護職員として臨機応変に対応し、様々な要介護者ともコミュニケーションを取れるよう、最低限の介護スキルや日本語能力を身につけているはずです。
しかし、要介護者が10人いれば10通りの介護のニーズや接し方が生まれるように、日本人の介護福祉士であっても、実際の現場では色々な問題や困難に直面します。そのため、外国人介護士も日頃から多くのことを経験して、介護士として一層に成長していけるチャンスが重要です。
平成29年度までは、介護福祉養成施設の卒業生は無試験で介護福祉士の資格を取得できましたが、平成29年度からは養成施設卒業生も試験合格が必要となりました。
そこで、経過措置として令和3年度までの卒業生であれば、卒業年度の翌年度から5年間は介護福祉士国家試験に合格しなくても「介護福祉士となる資格を有する者」として扱われますが、将来的には試験合格が必要とされるため、施設側もそのための学習サポートや環境づくりを実施することが求められます。
※参考サイト:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」(http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html)
来日したあとの外国人介護士への実習・研修の必要性が定められていないのは、特定技能ビザになります。介護福祉士の資格を取得している外国人介護士も同様に、施設での研修や実習は必要ありませんが、介護福祉士の資格を取得するまでの間に施設での教育が必要です。即戦力を求めるなら特定技能ビザ制度による外国人介護士の受け入れがおすすめといえるでしょう。ただし、全く教育が必要ないということではなく、文化の違いを配慮した指導の仕方、能力を磨くための施設側のサポートが重要です。
特定技能ビザは、「日本における介護分野での深刻な人手不足を解消する」ことを目的につくられた制度です。特定技能ビザによる外国人介護士の在留期間は5年ですが、在留期間中に介護福祉士の資格を取得すれば、在留資格「特定技能1号」から在留資格「介護」へと変更ができます。在留資格「介護」を取得すれば、永住者と同じように日本に住むことや終身雇用が可能。また在留資格「介護」では、外国人介護士の出身国にいる家族を呼び寄せることもできます。
介護現場での即戦力として、特定技能ビザによる外国人介護士を採用したい場合、どのような登録支援機関に相談すれば良いのでしょうか。可能であれば、外国人介護士の派遣だけを行っている企業ではなく、教育から来日後の生活支援まで一貫して行っているところがおすすめです。
当サイトで紹介しているONODERA USER RUNは、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジアに23校の学校をもち、2000名以上の生徒に介護士の技術や日本語を教えています(2019年12月時点)。また、施設への就職までに必要な手続き等フォローを行っていることはもちろん、就職後にも現地語の通訳を含む様々なサポートを実施。一貫したサービスで施設側の負担を減らしています。
外国人介護従事者への教育について知っておきたいポイントを幾つか紹介します。
外国人が介護士として働くためには、制度ごとに定められた日本語能力が必要です。しかし、実際のところ採用時の日本語レベルは個人差があるようです。日本語の学習は本人の努力によるものではありますが、慣れない日本で就労しながら学習するのは苦労も多いはず。業務に慣れてもらうため、また円滑に進めるためにも、現場でも支援してあげましょう。
外国人介護士の日本語能力がレベルアップすれば、コミュニケーションが楽になり、現場の効率がさらに上がります。
日本語能力試験JLPTの「N3」や「N2」などに合格していたとしても、テストに出題される日本語と介護現場で使う日本語は異なります。一緒に働く日本スタッフが、面倒がらずに現場で使う言葉の意味を教えることは、今後の仕事の効率化を図るためにもとても重要です。
具体的には次のような事柄を実行してみましょう。
忙しい現場において、日本人スタッフの業務が少し増えることは否めません。しかし採用後、スタッフで力を合わせて根気強く続けることで、外国人介護士は介護現場で使う日本語をいち早く理解し、お互いに信頼できる関係を築けます。また優秀な人材に育てば、新たな外国人介護士が来た時にリーダー的存在にもなってくれるでしょう。
外国人介護士向けの教育を、全て本人任せ、あるいは現場の日本人介護士任せにすると、業務に支障が出る恐れがあります。企業や施設側でも、教育のフォローアップを実践して働きやすい環境を提供してください。
日本に来日したばかりの外国人介護士に対しては、日本人と良好な関係を築くためのマナーや生活習慣などの教育も必要です。ひとりで不安やストレスを抱え込まないようにフォローし、長く良い関係を築きながらお互いに働けるような制度を設けましょう。
外国人とのコミュニケーションが慣れない日本人スタッフに対し、外国人介護士の採用制度の概要や指導方法、注意すべき点を共有することは、業務を円滑にするためにも必須事項です。外国人の採用に対して不満に思う人も少なくないようですが、今後も介護分野には外国人が多く採用されることになるでしょう。管理者だけでなく、現場スタッフが協力して働きやすい環境を構築しましょう。
日本語や介護技術が未熟な外国人介護士を教育、指導することは、日本人スタッフに良い意味での刺激を与えるようです。自分が見本になって指導したり、若くてやる気のある外国人介護士を目の前にすると、自分の仕事に対するモチベーションが上がったり、スキルアップを図ろうとする気持ちが高まるという声もあります。
また、外国人でもわかりやすいような新たなマニュアル整備や、ICT(通信情報技術)の導入などを行う施設も増えています。古いシステムが活性化されて、業務全般の効率がアップした施設もあるとのことです。
新たなことを学ぶためにはいくつかのプロセスを経ていかなければいけません。
新しいことを学ぶためにまずは試してみて、経験しなければいけません。これが最初の「経験する」にあたります。
その後何を失敗したのか、次に活かせる点を考えます。「洞察」によって学習していくのです。
経験・洞察することを積み重ねていくと、行動したり選択する判断基準について身についていきます。理論を学ぶことによって、複数のパターンに対応できるようになるのです。
自分が学んだ基準に沿って、自分で判断をして業務を行えるようになると、日常的に試行錯誤して工夫できるようになります。実践的な学習を行うことで、効率的に業務を行えるほどになるのです。
新しい介護の業務を学ぶためには、複数のステップを積み重ねて自分のものにしていきます。これらのプロセスの中でどの部分を重視するのかは、人の学び方や文化によっても異なります。
視覚的に学ぶほうが吸収しやすい場合もありますし、実践して体を動かして覚えることができる場合もあるでしょう。生まれ育った環境や教育レベルによっても、どのように学んでもらうのかに大きな影響を与えるのです。
外国人の学習スタイルを理解しておき、文化や各国の重視する点を把握しておくなら外国人介護士を効率的に指導できるでしょう。
外国人は人の話を一方的に聞いて学ぶことに慣れていないことが多いので、長い時間にわたって授業のような話をしても効率的に学ぶことはできません。むしろ居眠りをしてしまったり、講義の途中で質問されたりするでしょう。
まず外国人の学習スタイルを理解しておき、どのような学び方が本人にとってプラスとなるのかを見極めることが大切です。高い学習効果を期待するためには、学習プロセスのどの部分を重視するタイプなのかを理解して、適切な対応をすべきです。
何より大切なのは、日本人スタッフの指導と同じように、外国人介護士1人ひとりの個性(タイプ)に合わせて指導方法を検討すること。ここでは、タイプ別に考慮したい点や指導する際の注意点を見ていきましょう。
経験を重視するタイプであれば、理論・知識を最初に全部詰め込もうとせずに、まずトライしてみることで効果的に学べます。スポーツでも教えてもらうよりも他の人の動きを見て、その後に自分でやってみることで練習して学ぶタイプです。
新しい体験をして、アイデアを実行してみたいと思うタイプなので、自由に学習できる環境を整える必要があるでしょう。また他の人と一緒に経験してみることも学習意欲を高めるのに大切です。
1つのことに重点を置いて学ぶだけでなく、色々な体験ができるのも良い方法です。たくさんのことに挑戦してもらい、体で覚えてもらいます。
経験を重視するタイプの外国人スタッフは、説明を最小限にしておき見本を見せた後にすぐに真似してもらう方法が効果的です。文章や口頭で説明するよりも体験を積み重ねることで、業務を自分のものにできます。
このタイプの学習方法は言語に頼らずとも行えるので、多文化のスタッフがいる環境でも有効です。指導スタイルがあっているスタッフが多いのであれば、より早く成長することが期待できます。
経験を積んでもらうタイプの学習方法では、安全確保が注意点となります。説明を最小限にするとはいえ、安全面での説明やリスクについて指導することは欠かせません。言語による学習が不得意とはいっても、どのような危険があるかについては口頭で説明する必要があるでしょう。
洞察的に学習するタイプのスタッフは、目の前にある課題をクリアすることが効果的な学び方となります。スポーツで例えるならば試合の後に良かった点や課題を書き出して、次の練習に活かすタイプの学び方です。
学校教育では少ないタイプの学び方ですが、一度学んだ業務を改善していくのが得意なタイプなので、実際の現場で重宝される学習スタイルといえるでしょう。
洞察的な学習タイプのスタッフは、活動してから考えることができたり、客観的に物事を見ることができたりするのが得意です。自分で事前に調べる、あるいは見直すための時間があるなら、効果的かつ意欲的に学べるでしょう。
さらに他の人の意見を聞いたり、感想を書いたりすることも学ぶ環境を整えるうえで最適です。自分のペースで取り組めるように配慮してあげるのも大切でしょう。
洞察を重視するタイプの外国人スタッフが効率良く学ぶには、体験した後にその出来事に関して考える時間と、考えたことを表現する機会が必要です。学んだ事柄を振り返り課題を見つけ出す時間を与えることで、良い学習になります。
新しい業務について教えた後には、質問する時間を設けるようにしましょう。それだけでなく指導者の側から質問した場合には、考えをまとめる時間を与えるようにすることも大切です。実際に業務に取り組んだ後には、課題を考える時間を儲けると良いでしょう。
外国人スタッフの場合には、意見を聞いたときに、自分の考えを日本語で表現できるかも課題となります。言語化するための支援があるなら、本人にとって最適な学習環境となるでしょう。
理論を重視するタイプは、トップダウン型の学習スタイルとなります。解説や分析について書かれた理論を読んで、実践して自分のレベルを上げていく学び方です。
日本の介護の現場では得意とする人が少ないタイプの学び方ですが、ヨーロッパ文化に影響を受けてきた南アジアなどでは、よく見られる学び方といえます。高学歴な人ほどトップダウン型の学習スタイルになります。
理論を重視するタイプのスタッフが効率良く学ぶためには、背景理論まで学べる、あるいは様々な考え方を追求できる環境が必要です。表面的な学習だけでなく踏み込んだ質問ができる機会があったり、知的な挑戦ができるなら本人にとって助けとなる学習環境となるでしょう。
さらに目的がはっきりしており、枠組みに沿って学ぶことも大切です。成功や失敗について分析する時間もあると良いでしょう。理論を重視するタイプのスタッフであれば、物事を分析して考える方が覚えやすくなります。
理論的な裏付けを説明することが大切なので、指導者の側も理論と関連付けて教えなければいけません。学習内容だけでなくどのような手順で教えていくのか、学習の枠組みも大切なポイントです。
理論的に教えることが得意でない指導者にとっては、根本的な原因や理論を質問されることがストレスとなってしまうかもしれません。指導するスタッフが頭でっかちに見えてしまう危険性があります。
しかし学習したいと思っているスタッフのニーズに応えることが、効果的な学習となり、外国人介護士の成長に不可欠であることを覚えておきましょう。教える前には理論的な背景が説明できるように準備しておき、答えることが難しい質問であれば次の機会までに調べたり、本人に調べさせたり参考書を紹介するなどの対応が効果的です。
他の学習方法と比較すると、指導者の側が工夫すべきことが多い学習方法ですが、本人の成長を見込めるため施設一丸となって取り組み、外国人人材の大きな成長へとつなげてください。
実践的な学習を重視するタイプのスタッフは、自分の仮説を立てて実行に移して学んでいきます。スポーツであればいくつかのフォームを経験してから、自分なりの工夫を加えて取り入れていくタイプの学び方です。
規範的な学習スタイルというよりも、実用性を重んじる学び方なので、アメリカ文化が典型的な例となります。決まり事を重視する日本文化と比較して、中華文化圏などでもこれらの学習スタイルを取り入れている場合があります。アジア諸国でも実践的な学習方法の影響を受けている文化もあるので、このような学習方法が得意なスタッフがいることも覚えておきましょう。
実践的な学習を得意とする文化では、学んでいる内容と実際の業務を関連付けることや、物事を試してからフィードバックを得ることが大切となります。その他にも1つの方法だけでなく、複数の方法を見比べる、あるいは仕事ですぐに使える技術を学ぶ方法が効果的となります。
実用的な課題に取り組んだり、有用性を感じられる内容であれば意欲的に取り組むでしょう。学んだことを仕事に関連付けて示すことで効果的に学びます。
介護の現場で指導するのであれば、学んだことがどのように仕事に結びつくのか示しながら授業や指導を行いましょう。また学ぶ順番を工夫して実践的な課題に取り組んでもらえるようにします。
実践的な学習方法を重視するタイプのスタッフへ指導する際には、学習内容が仕事においてどのように役立つのかを理解するのは学習している本人であることを覚えておきましょう。指導者が教えている内容と業務を結びつけることができていても、本人が理解していない場合もあるからです。
そのために学んだことを自分で試行錯誤できるように、複数の方法や選択肢を提示してあげたり、実践する機会を与えることも効果的です。知っていることや学んだことをどのように使うのか判断力を育んだり、他者との学びによって自分の業務の幅を広げられます。
外国人の介護士を採用した場合には、テキストなどの教材を用いて指導することでしょう。外国人介護士が多く来日しているので、外国人向けの教材も出版されているので利用できます。
しかしたくさんの種類の教材の中から、どれを選ぶのが効果的なのか分からないという方もおられるでしょう。
学習スタイル別にどのような教材が良いのか見ていきましょう。
言語を重視するタイプは「聴覚」「視覚」を重視する学習スタイルとなります。読み書きを通じた学習になったり、聞いたり話したりして学ぶことが効果的になるタイプです。
日本の教育現場で用いられている教科書や板書から学ぶことが多いです。日本では少ないかもしれませんが、口頭でのやり取りや復唱など、頻繁に使われる文化もあります。
それで聴覚的に学ぶ学習するスタイルでは、朗読や復唱などの方法で介護現場での業務を覚えると効果的でしょう。口頭でのやり取りによって耳から学ぶ方法となります。
また視覚的に学ぶ方法が得意なスタッフの場合には、学習内容がイラストや写真になっていると効果的です。テキストだけでなく、目で見られる内容を用意しておくことが必要です。
もし文章しかない教材ならば、話をするだけでなく想像してもらう時間を用意することもできるでしょう。話を止める時間を用意することが、指導者に求められる場合もあります。
言語を重視する、聴覚的・視覚的に学ぶ学習スタイルでは、資料作成が重要なポイントとなります。教科書のレイアウトや資料の配置色使いなども大切な点です。
聴覚的な学習スタイルがあっているスタッフの場合には、音楽や効果音なども併用すると効率的に学べます。例えばパワーポイントなどでサウンド付きのスライドを取り入れることが可能です。
また覚える必要がある手順を、復唱できる歌にしてみるのも良い方法となるでしょう。
運動的な学習スタイルがあっているタイプのスタッフは、体の感覚で業務内容を覚えていきます。動作を行うだけでなく、学習内容を手で書くことも含まれている方法です。
日本でも覚える必要がある内容を書いて覚えることを得意とする人が多いです。欧米型の学習方法ではあまり見られない学び方ですが、書いて覚えるタイプの方もおられます。
運動的に学ぶことを得意としている人は、身体的な動作に敏感で、教える側の動きも効率的に学ぶポイントとなります。つまり動画を取り入れたり、実技演習などをするだけでなく、板書のように動きを見せることも大切なのです。
文化や得意とする学習方法によって、効果的な教材は異なります。指導方法によっても必要な教材は異なりますが、全体として五感で感じられる教え方は効果的といえるでしょう。
見る・読む・聞く・言う・書くという動作を組み合わせた教材を選択するなら、外国人スタッフが効果的に学ぶために必要です。学んだことを記憶してもらうためには、同じことを繰り返し扱うことも大切です。同じ内容でも動画や図、実際の動きなどと複数のスタイルで取り上げると効果的に学んでもらえるでしょう。