公開日:

マレーシア

このページでは、マレーシア人を日本の介護施設で介護人材として受け入れるための制度や資格、マレーシア人介護士と接する上で知っておくべきマレーシアの国民性や文化などについて解説しています。

マレーシアの人材を受け入れることができる制度/条件の紹介

マレーシア

日本の介護業界でマレーシア人を外国人介護士/外国人労働者として受け入れる場合、「技能実習生」・「在留資格:介護」といった2種類の制度を活用できます。また、「特定技能」についても検討されている点は重要です。

技能実習生

技能実習生とは、発展途上国などの人材を日本で受け入れ、対象職種の経験を積ませながら専門知識や技術を修得させることで、間接的にそれぞれの国の発展に寄与するという国際貢献を前提とした制度です。

日本とマレーシアでは2021年5月時点で、両国間の政府が技能実習に関する協力覚書を締結していませんが、マレーシアにある企業などから実習生として個々に人材を受け入れることはできます。

参照元:OTIT 外国人技能実習機構(https://www.otit.go.jp/soushutsu_nikokukan/

在留資格「介護」

日本の介護福祉士国家試験に合格し、介護士としての国家資格を取得した外国人であれば、在留資格「介護」を取得した上で、日本で外国人介護士として働くことが可能です。ビザの定期的な更新を続ければ就労期間の定めなどがなく、介護して働く場所も自由に選ぶことができます。

マレーシアが日本との「特定技能」の覚書締結を検討中

特定技能とは、あくまでも技能実習による人材育成や国際貢献を前提とした技能実習生と違って、特定の職種について外国から労働力としての人材を受け入れられる制度です。

2019年5月15日に、マレーシアのクラセガラン人的資源相が日本との間で特定技能に関する覚書の締結を検討していると声明を出しました。そのため、今後はマレーシアからも特定技能によって外国人介護士を受け入れられるようになると期待されています。

参照元:日本経済新聞「マレーシア、「特定技能」で日本と覚書締結を検討」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44836710V10C19A5EAF000/

マレーシアの特徴

温暖でリゾート地としての人気も高い国

マレーシアは一年を通して気温が高く、緑豊かな島々や美しい海を持つなど、リゾート地として日本人観光客の人気も高くなっている国です。観光客に対してフレンドリーに接してくれる人も多く、マレーシア人に対して明るいイメージを抱いている人も少なくないでしょう。

様々な人が暮らす多民族国家

マレーシアは、マレー系や中国系、インド系といった様々な人々が暮らす国であり、複数の宗教や文化が入り交じる多民族国家です。公用語としてマレー語が定められておりますが、共通語は英語となっており、地域や島が異なれば文化も変わるなど、マレーシアの中でもいくつもの個性が共存している様子は多民族国家ならではの特徴といえます。

なお、マレーシアに在住している日本人もおり、日本人が住みたいと思う外国の1つとして話題に上ることもあります。

マレーシアの国民性

多様性を受け入れるグローバルな国民性

そもそも多民族国家であり、異なる宗教や文化、風習が混在しているマレーシアは、多様性についても自己と他者の両方を尊重して共存を目指していくことが自然と受け入れられており、外国人に対しても明るく接してくれる人が少なくありません。

自分の考えを押しつけるのでなく、また相手の考えばかりを重視するのでなく、互いに敬意を払いながらそれぞれの生き方を尊重する姿勢は、ダイバーシティを考える上で参考になるでしょう。

表だった対立はないが歴史に隠れた確執もあり

基本的に多様性を尊重して、仲良く暮らしているマレーシアの人々ですが、多民族国家ということで民族間や部族間の対立の歴史があったことも事実です。また、マレーシア国内には裕福な中国系が多い一方、貧困層の大半をマレー系が占めているなど、明確な経済格差があることもポイントです。そのため、社会的・歴史的な対立がある部族間や民族間では、互いに距離を置き、普段はあまり接しないように暮らしていることもあります。

日本でマレーシア人介護士を受け入れる場合、マレーシア人だからといって皆が同じ考え方であると思わないように注意してください。

マレーシアの宗教や文化

イスラム教が多いものの基本的に多宗教

マレーシアではイスラム教徒が多いとされていますが、仏教を信仰する人やヒンドゥー教を信仰する人もおり、それぞれの宗教に関連した施設も設けられています。また、各宗教にもとづいた祝日や行事も社会へ根付いており、マレーシア人を受け入れる場合はどのような宗教を信仰しているのか事前に確認しておきましょう。

介護現場で気をつけたいこと

個人を尊重して理解する姿勢が大事

多民族国家のマレーシアだからこそ、個々の人について尊重し、互いに敬意を払うことが重視されており、日本の介護施設においても「マレーシア人介護士」としてひとくくりにすることは危険です。

また、日本語や日本の文化について習熟していない可能性もあり、本人らしい働き方や生活を安定させられるまで受け入れ施設としてもしっかりサポートしなければなりません。

マレーシアの介護人材育成状況

家族観の結びつきが強いマレーシアでは、介護を他人に任せることに抵抗感を持つ人もいます。そのため、日本ほど介護分野が発展していないことも事実です。

しかし、生きている限り加齢を止めることはできず、むしろ発展途上の段階にあるマレーシアの介護分野だからこそ、日本で新しい技術を学び、パイオニアとして将来へ活かしたいと考える人も現れるでしょう。

また、AI化が進むマレーシアでは、ITやAIを活用した新しい介護システムや高齢者ケアも注目されています。

外国人介護士を雇うと決めたら雇用制度を知ろう

国際的な発展を目指しているマレーシアでは、国内の発展や人材の育成にも積極的であり、今後は日本との間でも特定技能などの協力体制を発展させていく可能性があります。

しかし、多民族国家からの外国人介護士の受け入れは注意すべき点もあり、各国や各人の特性や事情を理解した上で、適切な雇用制度や受け入れ機関を活用していくことが大切です。

関連ページ

いちからわかる外国人介護士OMOTENASHI導入ガイド

受け入れ可能な外国人介護士の国と国民性を分析
タイ
ネパール
ミャンマー
ペルー
バングラデシュ
カンボジア
インド
スリランカ
ラオス
インドネシア