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外国人介護士を受け入れるに当たって、日本人が注意すべき「宗教」に関する問題や、様々な宗教や文化に対する接し方などについて、詳しく解説しています。
結婚式にはウェディングドレスを来て、お正月には神社へ初詣に向かい、お葬式ではお坊さんが念仏を唱えるなど、日本はそもそも世界的に見ても不思議な宗教観を持っている国とされています。
これは、そもそも日本が「八百万の神々」を祀る多神教国家であり、さらに「自分たちが楽しめる文化や風習であれば積極的に取り入れる」といったお祭り好きな国民性や、多文化に対して肝要な国民性が影響しているともいわれています。
しかしその反面、個々の宗教について深く学んでおらず、それぞれの宗教の実態を理解していない日本人も多いからこそ、敬虔な宗教国家から来日した外国人介護士などと接する際に、思わぬトラブルや誤解が生じてしまう危険性もあります。
宗教といっても仏教や神道、キリスト教の他に、イスラム教やヒンドゥー教、ユダヤ教など、様々な種類があります。また、同じ宗教であっても、国や地域によって宗派や教えの内容が異なり、独自に発展した文化もあるでしょう。
そのため、外国人介護士を受け入れる前に相手の宗教や風習を学ぼうとしても、実は根本的に学ぶべき内容がズレてしまっているといったケースも少なくありません。
加えて、世界的な事件や出来事のニュースなどを見て、特定の宗教に偏見を抱いている日本人もいますが、そういった思い込みや偏見にとらわれて、目の前にいる外国人介護士の実態を正しく見ようとしなければ、好ましくない誤解を生んだり、いっそ差別問題に発展してしまったりといったリスクが増大します。
まず注意すべきは、特定の宗教や神を信仰する人に対して、一方的な偏見や恐怖心を抱かないようにしなければなりません。例えば、ニュースである宗教の信者がテロを起こしたと報道されたとしても、それはあくまでもその宗派や団体に属する人間の思想であり、一般的な外国人介護士とは無関係です。
どんな宗教を信仰していても、実際にその人がどんな人間性を持っているかは、相手を見て判断することが必要です。
敬虔な信者であれば、1日の内に礼拝する時間が定められていたり、特定の食材を口にできなかったりと、何らかの戒律を守っていることもあります。
日本人に馴染みのない宗教の場合、戸惑うこともあるでしょうが、彼らにとっては日本人が食前に「いただきます」を言うのと同じくらい自然なことかも知れません。
もしも見慣れない儀式や風習を目の当たりにしても、否定するのでなく、むしろそれと日々の業務のバランスを上手に取れるようサポートしてあげることが大切です。
例えば宗教上の決まりで豚肉やお酒を口にできないとされる人であっても、宗派によっては特定の条件下でそれらが解禁されることもあります。しかし、日本人の側で勝手に「彼らは豚肉やお酒を絶対に食べられないから」と決めつけてしまえば、せっかく相手を気づかったつもりが、逆に余計なお世話になってしまうことさえあるでしょう。
外から得た知識で決めつけるのでなく、疑問に感じたら素直に相手へ尋ねることと、そういった会話を気軽に行える関係性を普段から作っておくことが肝心です。
施設職員が理解していても、要介護者の中には外国人介護士の宗教や風習について知らない人もいます。そのため、周囲の日本人が、外国人介護士と要介護者やその家族との橋渡しを積極的に行っていくことも大切です。
外国人介護士に限らず、外国人と宗教の問題について、いきなり日本人が全てを上手く解決することは難しいのが現実です。そのため、現地の宗教や日本文化との違いについてきちんと理解しており、外国人介護士だけでなく、施設で働く日本人に対しても、正しい知識を提供してくれ、必要に応じてサポートしてくれる専門会社を活用することが、問題を未然に防ぐために効果的です。
外国人介護士に特化した人材サービス会社であるONODERA USER RUNでは、実際に海外4カ国・11地域へ学校を設置し、日本で働くための人材教育を行っている上、来日後のサポートも行ってくれるため、安心して他地域からの外国人介護士を受け入れることができます。