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ここでは、外国人介護士を受け入れるに当たって注意すべき、外国人介護士のメンタルヘルスや、そのケア方法などについて、まとめて解説しています。
ここでは、外国人介護士を受け入れるに当たって注意すべき、外国人介護士のメンタルヘルスや、そのケア方法などについて、まとめて解説しています。
令和の現代、日本国内でも企業や組織が従業員や労働者の精神状態を把握して、適切な健康管理やメンタルヘルスケアを行うことが一般的になっていますが、外国人労働者や家族などに対する医療体制に関しては、まだまだ発展途上といわれています(※1)。
とはいえ、外国人に対するケアでは、まず言語の違いをカバーしなければならず、その上それぞれの国における文化や風習の違い、実際の現場での人間関係や労働環境などを総合的に把握した上で進めなければならず、さらに出身国や立場によって現れる症状も異なります(※2)。そのため、いきなり外国人介護士のメンタルヘルスケアを行おうと思っても、なかなか難しいのが実状です。
そこで、外国人介護士を受け入れる場合は外国人のメンタルヘルスケアに何が必要で、どのように実施していくべきか、個々の事情を含めて適切に把握しながら、組織全体で環境を整えることが欠かせません。
※1 nippon.com,【在留外国人のメンタルヘルス:対応医療機関の拡大急務】
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00540/
※2 多文化間精神医学会
https://www.jstp.net/Greeting.htm
例えば、外国人介護士によって信仰している宗教が違ったり、大切に想っている対象が異なっていたりと、日本人と外国人という違いだけでなく、そこには必ず人と人としての違いがあります。また、どうして祖国を離れて日本で働きたいと考えたのか、理由や抱えている事情も人それぞれです。
そのため、もしも日本人にはあまり馴染みのない習慣や考え方があったとしても、いきなり否定するのでなく、本人や人材サービス会社などに確認しながら、きちんと相手を尊重する意識を持つことが必要です。
基本的に、特定技能ビザを取得して日本で働こうとする外国人介護士は、そもそも勤勉であり、加えて日本でしっかり働こうという熱意があります。しかし、どれほどやる気に満ちていても、実際に慣れない土地で生活していれば、ストレスや不安を感じることも少なくありません。
現代はインターネットが発達して、日本にいながら母国の家族や友人とも気軽に会話できますが、それでも実生活で接する相手と信頼関係を築けているかどうかは、メンタルヘルスを健全に保つ上で非常に重大です。
令和2年3月に発表された、外国人介護士の受け入れ実態に関する調査報告によれば、就労先となる介護施設などだけでなく、地域住民など多くの日本人と交流する度合いが高い外国人介護士ほど、生活が安定して、日本での勤労意欲も高くなっています。また、職場の交流会や地域のイベントについて、言葉や文化の壁があって参加できていないものの、実際には参加したいと考えている外国人が非常に多いこともポイントです。(※3)
国籍に関係なく、誰でも見知らぬ土地で、初めて会う人々と交流することは緊張するものです。そのため、本心では仲良くなりたいと望んでいる相手に対して、自分から声をかけていくことは何よりのメンタルヘルスケアといえるでしょう。
※3 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(令和2年3月),【外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業 報告書】
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2020/04/koukai_200422_3.pdf
もしも施設で働く外国人介護士の様子がおかしいと感じたり、あるいは不調を訴えられたりした時、外国人のメンタルヘルスに詳しい専門家へ相談できる環境を整えておくことも重要です。
外国人のメンタルヘルスケアでは、言語の違いだけでなく、国民性による違いなども考慮した診療が必要になります。
どれだけ外国人介護士のメンタルヘルスを気づかっていても、なかなか完璧な環境を整えることはできません。
そんな中で、信頼して相談できる専門家がいるかどうかは、外国人介護士にとってだけでなく、施設で働く日本人のメンタルにとっても大きなポイントです。
とはいえ、外国人のメンタルヘルスについては精神医学だけでなく、個々の背景を適正に把握することが欠かせません。
その点、ONODERA USER RUNのように、海外での現地教育から日本での就労や生活定着まで一貫したサポートを行っている人材サービス会社であれば、本人の事情を把握しながら、様々な対処法を施設と相談することも可能です。
自分たちだけでがんばろうとするのでなく、みんなで協力してお互いを支え合うという意識こそが、外国人介護士に関わる全員にとって望ましい環境といえるでしょう。