外国人介護士との「言葉」の問題

外国人介護士を受け入れるなかで、課題の一つとして取り上げられるのが「言葉」。施設で働く日本人介護士からは外国人介護士との言葉の壁について意見も挙がっていますが、人材不足による経営難を防ぐためには外国人介護士の力が必要です。現場で外国人介護士の能力を活かすには、どのような配慮が必要なのでしょうか。

外国人介護士と働く施設が感じた「言葉の壁」

実際に、外国人介護士を受け入れている施設のスタッフが感じている「言葉の課題」について体験談を集めました。

資格取得後も日常的な会話はなんとかしていたが、専門性を必要とする会話が理解できないことにより、利用者の細かな心理状況の把握が出来ず結局離職していった。
言葉や文化の壁は大きく、指導する側のストレス疲弊感を強く感じており、外国人を現場で育てていくのは非常に厳しい面もある。
外国人介護職員には会話はできても記録が出来ず、夜勤が出来ない状態も。臨時職員が増え、臨時職員は夜勤業務を避ける中で、正規職員である外国人介護職員の夜勤業務の代わりを他の日本人スタッフでフォローしており疲弊要因となっている。
文化の違いを理解するには時間と学習、及びセンスが必要である。その違いがとんでもないリスクや虐待につながる懸念がある。生活を支援する仕事であるがゆえ、相手に対する繊細な思考力や認知症の理解をはじめとした知識が必要である。

※引用元:公益社団法人日本介護福祉士会「外国人労働者の受け入れと、介護の技能と技術、日本語能力・コミュニ
ケーションの重要性」(http://www.moj.go.jp/content/000124150.pdf)※日本介護福祉士会会員からの聞き取りによる内容

現場からは厳しい意見があがっていますが、事前の準備と相手への理解さえあれば全て解決する内容です。まず、外国人から見て日本語がどれ程難しい言語なのか、日本語能力試験の難易度はどれほどなのか解説します。

外国人介護士とのコミュニケーションで理解しておくべきこと

外国人からみた日本語の難しさ

2018年にアメリカの国務省が発表した「外国語習得難易度ランキング」では、日本語が最も習得が難しい言語として紹介されています。漢字・カタカナ・平仮名と3種類の文字を使い、漢字に至っては音読み・訓読みがあるなどあらゆる理由が習得の難しさに繋がっているようです。

完ぺきとは言えないまでも、日常会話に困らないレベルまで日本語を習得している外国人がいかに努力しているかがよくわかります。外国人介護士とコミュニケーションをとるときは、こちらの「当たり前」を押し付けるのではなく、相手に合わせた会話が重要です。

「難関」な日本語能力試験

日本語能力試験の中でも簡単とされるN5でも、200時間以上の勉強時間が必要なうえに認定率は47%しかありません。N5よりもさらに難易度の高いN4の認定率は32%程度。生半可な知識や独学での日本語勉強はなかなか難しいのが現状です。

日本人である我々にとって試験のレベルは想像しがたいですが、日本語能力試験のうち難易度が最も高いN1は日本の高校生レベルといわれています。これまで全く日本語に触れたことのない外国人がN1レベルを合格しようと思うと、最低2000時間の日本語学習が必要とされています。

「日本で介護士として働きたい」と思ったとしても、日本語を学ぶためにスクールに通うほどの経済的な余裕がある外国人は多くありません。独学など努力をしても、日本語の習得には何年もかかってしまうでしょう。

言葉を学ぶ環境さえあれば人財は育つ

日本語能力試験に合格できるほどの日本語力を身につけるためには、日本語を学べる学校に通うのがおすすめ。しかし、学校の授業料は決して安いものではありません。介護士を目指す外国人が多い東南アジアでは、若いうちから家族を養っているケースが多く、自己投資ができるほどの金銭的余裕がないと言います。

特定技能ビザによる外国人介護士の雇用をサポートするONODERA USER RUNは、フィリピン・ミャンマー・カンボジア・ベトナムに外国人介護士を育てる学校を持ち、2439名の在学者の授業料を無償化して教育を行っています(2020年3月時点)。介護士になりたいと志を高く持っている人財の芽を摘まないために、試験に合格するための教育だけではなく、来日後の就職先・生活支援までサポート。日本の施設へ、即戦力になる外国人介護士を派遣しています。

特定技能ビザ以外の制度でも外国人介護士を受け入れることはできますが、実習期間が必要であったり、あくまで就労目的ではなく本人の勉強目的であったりと、外国人介護士の能力はまちまちです。施設側で日本語を教えるには限界があるため、ONODERA USER RUNのように一貫したサポートを提供している会社に相談してみることがおすすめです。