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中国

このページでは中国からの介護士を受け入れる際に利用できる制度や中国の特徴、国民性など、中国の方々と仕事をするうえで覚えておきたい事柄を紹介していきます。

中国の人材を受け入れることができる制度/条件の紹介

中国から人材受け入れの際に利用できる制度・資格は、「特定技能ビザ」「技能実習」「介護ビザ」の3種類があります。

特定技能ビザ

特定技能ビザとは>日本国内の特定産業における人材不足解消のために設立された在留資格のことです。一定の日本語能力と介護技能が認められた人が介護事業所で就労できます。

技能実習

技能実習とは日本の技術や知識を母国へ持ち帰る技能移転を目的にした制度です。入国には一定の日本語能力が必要なうえ、入国1年後までにN3程度の日本語能力が求められます。母国で介護に従事した経験者が申請できます。

在留資格「介護」

当初の在留資格は「留学生」です。日本の介護福祉養成学校へ通い「介護福祉資格」の取得を目指します。留学期間中は週28時間までのアルバイトが可能。福祉養成学校を卒業すれば介護福祉士資格が得られ「留学」から「介護」へ在留資格へ変更できます。その後永続的な就労が可能です。

外国人介護士を迎える制度をまとめています。これから外国人介護士を雇用しようと検討している方は、ぜひご覧ください。

中国の特徴

日本の約26倍の国土、人口は約11倍の中国。人口の大多数は漢民族ですが、それ以外に約50もの少数民族で構成されています。このような広大な国土と、さまざまな民族が一緒に暮らす中国の国民性にはどのような特徴があるのでしょうか。

自己主張が強い

自分の意志・意見を明確に持ち、はっきりと言うのが、多くの中国人に見られる特徴です。これは相手の気持ちを察して動く、時に尻込みしてしまうことも多い日本人とは大きく異なる点です。

>習慣や文化、言語が異なる民族が暮らす中国では、自分の気持ちを相手に正確に伝えることが誤解を生まずに深く付き合えることと考えているからだと言われています。また若い世代においては、一人っ子政策により両親から溺愛される中で、一人ひとりの意志が尊重・優遇される環境に身を置いていた方も多く、自分の考えを主張することにあまり抵抗がないようです。

家族や友達を大切にする

中国人は義理人情に厚く、家族や友達を大切にする人が多いといいます。家族や友達が困っていたら手を差し伸べたり、身内を守ろうという意識が高いのが特徴です。また共働き家庭が多く、祖父母が孫の世話をすることも多いので、多世代でのつながりも強いようです。ファミリーやコミュニティなどの結束が高い傾向があります。

日本に対する感情や情報は人それぞれ

中国人が思い描く日本のイメージや日本に対する感情には、個人差があります。過去の歴史や政治的視点などから、良い感情を抱かない人も一定数います。

ただし介護の実習などで来日する人たちは、日本への関心やおもてなしサービスを学ぼうと考えているモチベーションが高い人達が多いようです。

介護現場で気を付けたいこと

中国人を介護従事者として雇用する際に、知っておきたい注意点を幾つか紹介します。

指示は具体的に伝える

中国の人たちは日本人より自己主張が強い傾向があります。広大な国土にさまざまな民族が集まっている中国では、生まれた土地によって習慣や文化が異なるため、自分の気持ちを明確に相手へ伝えないとお互いのコミュニケーションが図れないから、というのが理由です。

日本文化の持つ「察する」とか「目をみて分かりあう」という行為は通じないため、中国人介護士に対しては抽象的な言葉やオブラートに包むことは避けて、明確な、あるいはストレートな言葉にして指示を伝えてください。

また中国人の自己主張や話し方は、悪気がないことがほとんどです。しかしそのことによってチームの和が崩れたり、介護施設の利用者に悪い印象を持たれる可能性があるため、事前に日本の文化を伝えていくことも大切です。

ミスをした時の注意の仕方

柔軟性を持つ中国の若い世代は、効率性を求めようとする人も多いようです。ビジネスの世界において効率性は大切ですが、介護の世界で接するのは「人間」です。もし効率性だけを求める外国人介護士がいたら、高齢の人に対しての敬意とサービス精神を忘れないように言い聞かせてください。その一方で、事務作業で取り入れてもよいアイデアを提示されたら、柔軟な姿勢を見せることも大切かもしれません。

中国での介護人材育成状況

人口が14億人を超える中国は、世界で最も人口の多い国です。人口抑制政策のために「一人っ子政策」を1979年から2014年まで実施したことで、老後を子供に見てもらうことが困難になったといいます。2013年には独居老人と老人夫妻だけ生活者が高齢者全体の50%を超えたというデータもあります。

そんな中国では、介護への意識や人材育成がどのように進んでいるか紹介していきます。

介護士への認識格差が大きい

広い国土を持つ中国は、土地と農村部の社会構造、産業や経済活動が大きく異なり、民族間において文化や家族関係に違いがあります。特に地方においては「介護は家族がケアするもの」という意識が根強くあるのですが、都市部でもケア・ワーカーは看護の一部であるという認識や、家政婦の延長線と考えている人も多いようです。

国策として介護士の育成を進行中

介護士への認識度はまだ低いものの、確実に超高齢化社会に突入しようとしている中国では、介護を仕事にするための人材育成政策を開始しています。2002年に「養老護理員」という国家資格を開始したこと、そして幾つかの大学では介護に関する専門学科を設置しました。

近年では、質の高い介護とおもてなし精神を持つ日本の介護現場に視察にする中国人の管理者も増えているようです。

※参考元:【PDF】日本の介護業界で働く外国人労働者に関する意識調査「留学経験がある中国人と台湾人を対象に」(https://core.ac.uk/download/pdf/229032844.pdf

外国人介護士の雇用制度を知ろう

中国の国民性や介護に対する意識、コミュニケーションの注意点などについて紹介してきました。外国人介護士は、どの国から受け入れるかによって利用できる制度が異なります。まずどのような雇用制度があり、どのような準備が必要なのかを確認することから始めましょう。

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