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外国人介護士を定着させるための方法

どうすれば外国人介護士がモチベーションを維持しながら働き続けてくれるのか、外国人介護士を定着させるための方法や注意すべきポイントについて、まとめて解説しています。

外国人介護士はそもそも定着しやすいはず?

外国人介護士として、異国である日本を訪れてまで専門職に就いて働こうと考える人は、介護士という仕事に対して意欲を持っていますし、自らの能力を活かしながら報酬を得たいと考えています。そのため、本来であれば外国人介護士の定着率は高くて当然と考えることもできるでしょう。

しかし、実際は外国人介護士として外国人を雇用したにもかかわらず、契約期間の途中で外国人が帰国してしまうケースも珍しくありません。

そのため、外国人介護士の定着率を高めながら、労働意欲を保って働いてもらおうとすれば、まず外国人介護士が仕事に対する意欲を失ったり、日本での生活をあきらめてしまったりする原因を理解した上で、適切な対策に取り組んでいくことが必要です。

外国人介護士の定着率を下げてしまう要因とは?

給与など待遇面で不満がある

外国人介護士を介護施設などで雇用する場合、原則として事前に外国人介護士へ業務内容や給与額などを周知して、お互いに納得した上で労使関係を結ぶことが必要です。そのため、本来であれば就労後に給与額の安さや労働時間、作業内容などに不満を抱くことはないはずです。

しかし、実際に日本で外国人介護士が就労することは、日本人が介護士として働くよりも困難な場合が多く、学ばなければならない内容も少なくありません。そのため、いざ働き始めてみると、思っていたよりも働くことが大変だと感じるケースもあるでしょう。

また、現代は日本人が思うほど海外と日本との間に物価差がなく、日本人がかつて抱いていたような貧困国のイメージが時代遅れになっている場合も少なくありません。そのため、外国人だから安く働かせても問題ないだろうというような考え方でいれば、外国人介護士の出身国によっては日本で働くということが全くメリットに感じられないことも想定されます。

職場での人間関係に上手くなじめない

外国人介護士が日本で働く場合、同僚の介護士や施設職員、また要介護者といった、日本人と日常的に付き合いながら仕事をしていくことになります。そのため、外国人介護士にとって日本人を含めた周囲の人間と良好な関係を構築することは、前向きに仕事をしていく上で非常に重要なポイントといえるでしょう。

反面、職場での人間関係が適正に構築できず、また日本語能力の不足や異文化による意識の違いなどでコミュニケーションが難しくなってしまった場合、外国人介護士の精神的ストレスが増大して、結果的に仕事を辞めてしまうリスクも深刻化します。

日本での生活になじめない

職場での人間関係や仕事内容に対して不満がなくても、実際に生活していく上で日本の文化や習慣になじめないといったケースも考えられます。

また、きちんと日本の常識や地域のルールなどを外国人介護士が理解していなければ、近隣住民との間でトラブルに発展してしまう可能性もあり、問題が大きくなっていくこともあり得るでしょう。

その他、不当な差別や偏見に直面することで、外国人介護士から日本人や日本社会に対する信頼が失われてしまう恐れもあり、職場だけでなく、外国人介護士を取り巻く生活環境についても意識を向けておくことが大切です。

外国人が求める学習環境を与えられない

日本での介護士資格取得を目指している外国人にとって、講習やセミナーといった技術習得の場だけでなく、受入れ施設で働くこと事態が実践勉強のチャンスです。そのため、外国人介護士として高い意識を持っている人材ほど、自分たちがどのようなことを働きながら吸収しているのか、真剣に考えています。

しかし、外国人介護士を単なる日本人のお手伝いや雑用係のように考えて、それぞれの能力や経験に見合った業務を任せていなければ、雇用主に対する不信感を強めてしまう原因にもなるでしょう。

また、すでに海外で看護師資格等を取得してきた外国人であっても、授業カリキュラムの違いによって、介護分野に関する専門知識は不足している可能性があります。そのような場合、外国人ごとの専門性や技術レベルを考慮しながら、介護士として必要な知識や技能の修得について考えていくことも大切です。

外国人介護士を定着させるために守るべきこと

給与や待遇などをきちんと考慮する

現在、日本では同一労働同一賃金や働き方の多様化といったことが重視されており、外国人介護士を雇用する場合でも、日本人介護士と外国人介護士の間で人種や国籍を理由とした賃金差などを生じさせることは許されません。

そのため、それぞれの外国人介護士の経験や技能、業務内容などを考慮した上で、適正な給与額や待遇を定め、お互いに納得した上で雇用契約を結ぶことが大切です。

相互理解にもとづいたコミュニケーションの活性化

日本と諸外国では生活習慣や商習慣、宗教観など様々な点で違いがあり、互いに敬意を払いながら信頼関係を構築しようと思えば、何よりもまず相手の文化や慣習などに対してきちんと理解することが必要です。

郷に入っては郷に従えという意識で、日本の常識や商習慣を一方的に押しつけるのでなく、それぞれの出身国や地域、宗教ごとの特性を日本人職員にも周知徹底した上で、互いに良好な人間関係を構築できる環境を整えることが欠かせません。

生活面でのサポートやメンタルケアを拡充させる

日本で生活する上でのルールを外国人介護士へ教えるだけでなく、何か分からないことがあったり、困ったことが生じたりすれば、外国人介護士が気軽に相談できる体制を整えておくことも大切です。また、もしも体調不良や病気の場合、外国人介護士がスムーズに必要な医療を受けられるようサポートすることも重要です。

外国人介護士を雇用する場合、職場内にだけ目を向けるのでなく、生活全般までフォローできるようにしておきましょう。

外国人介護士の勉強をしっかりと支援

外国人介護士が資格取得を目指したり、自己成長を実現したりできるよう、受入れ施設は十分な支援を行うことが求められています。

日本語能力はもちろん、介護に関する知識や技術といった、あらゆることをしっかりとカバーして、外国人介護士が適性にレベルアップしていけるように取り組んでいくことが不可欠です。

退職する外国人介護士に対するフォロー

様々な事情から、日本で働くことをあきらめて帰国する外国人介護士もいるでしょう。しかしその時、外国人介護士を悪者であるように考えて不当な扱いをすれば、帰国後に外国人介護士が現地で受入れ施設に関して悪い噂を流したり、外国人コミュニティの中で受入れ施設について評価が下がってしまうことも考えられます。

現代はインターネット社会であり、1人に対する仕打ちが不特定多数の外国人に拡散されていくリスクを無視することはできません。

十分な理解と準備に加えて適切なサポートを

外国人介護士を定着させるには、まず意識的にも環境的にも外国人の受け入れ体制をしっかり整えた上で、来日した外国人と信頼関係を構築しながら、日本で働くということを誇りに感じてもらうことが大切です。

しかし、外国人といっても国や地域、宗教などによって文化や風習は大きく異なるため、受け入れ体制を整えることも一筋縄ではいかないでしょう。

そのため、外国人介護士を雇用したいと考える場合、単に人材を紹介してくれるだけでなく、受け入れ準備や来日・就労後の外国人の生活支援などについても取り組んでくれる、信頼できるプロへ任せることが肝要です。

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